



Director's Dental Blog
公益社団法人 日本口腔外科学会 認定医
特定非営利活動法人 日本顎咬合学会 会員
公益社団法人 日本口腔インプラント学会 会員
ILSC即時荷重研究会 理事
千葉県船橋市 船橋森谷歯科クリニック 院長
歯科医師 丸林浩太郎
こんにちは!
船橋森谷歯科クリニックの院長丸林浩太郎です!
今回は患者さまとの会話の中で患者さまから「そうなんですか!?」と言われた内容を取り上げたいと思います。
前回は「シーラント?その効果とメリットとは?」という内容でした。
今回は「歯医者の専門性」についてお話ししていきます!
専門家とは、 「ある特定の学問・事柄を専門に研究・担当して、それに精通している人。エキスパート。」とされています。
そもそも歯医者(歯科医師)は医者(医師)や看護師などのようにそれ専門の大学や専門学校で専門的な学問を学びます。
そして厳しい国家試験を受けて、それに合格したら晴れて歯科医師を名乗ることができるようになります。
他にも国家資格には弁護士や公認会計士、保育士などもあり、どれも国家試験を受けて合格しないとなれない職業ですね。
国家資格というと、かなり専門的な知識や技術が必要とされるのはみなさんご存じのことと思います。
医者は身体の専門家で歯医者は歯の専門家であることもみなさんご存知かと思います。
今回の「専門性」のお話は医者と歯医者を比較しながら進めていこうと思います!
前述の通り、医者は身体の専門家で歯医者は歯の専門家であることはおそらく間違いではないと思います。
私は歯科医師なので歯の専門家です。
ここで質問です。
医者は身体の専門家と言いましたが、眼科の先生は何の専門家でしょうか?
答えは簡単ですね。
「眼」の専門家です。
それでは皮膚科の先生は何の専門家でしょうか?
これも簡単ですね。
答えは「皮膚」の専門家ですよね。
では耳鼻咽喉科の先生、泌尿器科の先生、脳外科の先生は?
そして歯医者は何の専門家でしょうか?
歯医者にもお医者さんのように専門があるのでしょうか?
「歯医者は歯科でしょ?」
もちろん歯医者は歯科なのはそうなのですが、それは「医者は医科でしょ?」と言っているのと同じことですよね?
歯科にも医科と同じようにいろいろな専門分野があります。
医科や歯科には標榜できる「科」というものがあります。
よく聞くものとしては、歯並びを治す「矯正歯科」、親知らずを抜いたりお口の中のがんを治療する「口腔外科」、子どもの歯の治療を行う「小児歯科」などです。
これらは医科でいうところの眼科や皮膚科、耳鼻咽喉科などと同じ感じですね。
歯科の標榜できる「科」は上記の3つの他に「歯科」というものがあります。
船橋森谷歯科クリニックは「歯科」、「小児歯科」、「矯正歯科」、「歯科口腔外科」の4つを標榜しています。
これらの中の「小児歯科」、「矯正歯科」、「歯科口腔外科」は医科でいう「眼科」、「皮膚科」、「耳鼻咽喉科」と同様のカテゴリーに分類されると思いますが、「歯科」というのは何なんでしょうか?
船橋森谷歯科クリニックは「歯科」、「小児歯科」、「矯正歯科」、「歯科口腔外科」と標榜しているわけですが、これは医科からすると、ひとつの医院が「医科」、「眼科」、「皮膚科」、「耳鼻咽喉科」と標榜しているのと同じだと考えると少し変な感じがしますね。
歯の治療で大学病院を受診したことがある方もいらっしゃるかと思いますが、その時は何科を受診しましたか?
おそらく「歯科」は受診していないのではないでしょうか?
歯の治療なのに「歯科」を受診しないなんておかしいですよね?
とくに歯学部がある大学の大学病院は「歯科」が存在していないと思います。
「歯科」は大雑把に言うと「歯に関する病気の治療をする科」と解釈しもいいと思います。
「歯科」は歯に関する病気、つまりむし歯や歯周病、入れ歯や知覚過敏など治療する科だということです。
「歯科」がない大学病院はどのような科があるかというと、
・矯正歯科:歯並びを治す科
・小児歯科:子どもの歯の治療を行う科
・口腔外科:顎関節症の治療や親知らずの抜歯、口腔がんの治療、骨折などの外傷の治療などを行う科
・保存科:むし歯や歯周病の治療を中心に行う科
・補綴(ほてつ)科:詰め物や被せ物、入れ歯などかみ合わせを回復させる治療を行う科
・インプラント科:インプラント治療を行う科
・スポーツ歯科:スポーツ用のマウスピースなどを作成したりする科
・放射線科:お口のレントゲンを撮影、診断する科
などがあります。
医科の中に眼科や皮膚科、耳鼻咽喉科などの細かい専門分野があるように、歯科にも上記のように結構細かく専門分野が分かれているのです。
さらに私の出身大学では、口腔外科は第一講座と第二講座に、保存科は保存学講座、歯周病学講座、歯内療法学講座の3つに、補綴科は有床義歯(入れ歯)講座、クラウンブリッジ(かぶせものなど)講座の2つにそれぞれ分かれてて、それぞれ専門分野が違うということになっていました。
一概に「歯科」といってもこれだけ細かく分野が分かれているんですね。
もちろん大学病院にはこれだけ細かく分かれた分野それぞれの専門家(エキスパート)が存在するわけですね。
みなさんは熱が出て咳が出て寒気を感じたら何科を受診しますか?
多くの方は近くの内科を受診されると思います。中には呼吸器内科を受診される方もいるかもしれませんが、内科を受診する方のほうが多いと思います。
では歯が痛くなったら何科を受診しますか?
ほとんどの人は歯科を受診されると思います。いきなり「歯が痛いからすぐ大学病院にかからなきゃ!」となる人は少数派かと思います。
歯が痛くなったら一般的な歯医者(歯科医院)と大学病院のどちらを受診するのが正解というものではありません。
大学病院ではそれぞれの分野の専門家が多く在籍しているますが、1本のむし歯治療で大学病院の科をいくつも受診して治療を進めるというのは現実的ではありません。
したがって、一般的な医歯科医院ではとくに技術的に治療が難しいと判断した場合にその分野の専門家に紹介状を書いて患者さまに受診していただくという流れが一般的になります。
お医者さんの中で、眼科、皮膚科、耳鼻咽喉科、整形外科、脳外科、産婦人科、泌尿器科、心臓血管外科など身体の病気すべての分野でエキスパートな人はゼロと言ってもいいと思います。
それと同様、歯医者も分野によって得意としているものはあれど、矯正歯科、小児歯科、口腔外科、保存科、補綴科、インプラント科などすべてを完璧にできる人は極めて稀だと言えます。
以前、一般的な歯科医院と大学病院の違いについてはブログで書いていますので、そちらもぜひ参考にしていただけたらと思います。
今回は歯医者の専門性についてお話ししてきました。
残念ながら歯医者は歯の専門家ではありますが、お医者さんが全身の病気をすべて治せるわけではないのと同じように、お口の中の病気すべてを治せるわけではありません。
以前、患者さまから「歯医者なのにどれぐらいで治るかあいまいな説明をされた」とご意見をいただいたことがありました。
人によって、歯の状態によってかかる時間や回数は変わってきてしまうのは仕方がないことと考えています。
人によってはカゼが長引いてしまう人もいますし、数日で治ってしまう人もいます。
しかし私たち歯科医療従事者は「歯の専門家」である以上、できるだけ早く患者さまがお口の健康を取り戻してもらいたい、そしてできるだけ長くお口の健康を保ってもらいたいと心の底から思っているのは確かです。
お口の病気のすべての分野の専門家(エキスパート)になるのは簡単なことではありませんが、できる限りそれに近づけるよう、今後も日々研鑽していきたいと思います。
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