


Director's Dental Blog
公益社団法人 日本口腔外科学会 認定医
特定非営利活動法人 日本顎咬合学会 会員
公益社団法人 日本口腔インプラント学会 会員
ILSC即時荷重研究会 理事
千葉県船橋市 船橋森谷歯科クリニック 院長
歯科医師 丸林浩太郎
歯科衛生士 田村麻希
こんにちは!船橋森谷歯科クリニック、歯科衛生士の田村麻希です。
前回は「自宅で簡単ホワイトニング! 『ティースホワイトニングジェルパック』」という内容でした。
今回はオーラルフレイルについてお話します。
突然ですが、最近「食べ物が飲み込みにくくなった」「硬いものを避けるようになった」「人と話す機会が減った」このような変化はありませんか?
当院に来院いただいている患者さんのなかにも実際にこのような変化を感じているという方は多いです。
年齢を重ねると、体力や筋力が少しずつ低下するように、お口の機能も徐々に衰えていくことがあります。
このようなお口の機能のささいな衰えを「オーラルフレイル」と呼びます。
オーラルフレイルは、単に「年齢のせい」と考えて放置するのではなく、早い段階で気づき、適切な口腔ケアやトレーニングを行うことで予防できます。
今回は、オーラルフレイルの意味やセルフチェックの方法、予防のためにできることについて詳しくお話ししようと思います。
1.オーラルフレイルとは?
2.オーラルフレイルになると何が起こる?
3.オーラルフレイルのセルフチェック
4.オーラルフレイルを予防する口腔ケア
5.まとめ
まず「フレイル」という言葉は、健康な状態と介護が必要な状態の中間にある、心身の活力が低下した状態を指します。
その中でも、お口の機能に現れる変化を「オーラルフレイル」といいます。
例えば、
– 食べ物を噛みにくくなった
– 硬いものを食べる機会が減った
– 食事中にむせることが増えた
– 滑舌が悪くなった
– 口の中が乾燥する
– 食べこぼしが増えた
– 舌が動かしにくく感じる
などが代表的な変化です。
これらはひとつひとつを見ると「ちょっとした変化」に思えるかもしれません。
しかし、お口の機能が低下すると、食事や会話など日常生活のさまざまな場面に影響がでる可能性があります。
オーラルフレイルの特徴は、いきなり大きくお口の機能が低下するのではなく、小さな変化から始まることです。
「以前より硬いものを食べなくなった」という段階で気づくことができれば、食生活を見直したり、口腔ケアを行ったり、
お口の筋肉を使うトレーニングを取り入れたりすることで予防することができ、健康なお口を維持することにつながります。
だからこそ、年齢に関係なく「最近、お口の調子が少し変わってきた」と感じたら、一度ご自身のお口の状態を確認してみることが大切です。

私たちは普段、食事をするときに「歯で噛む」「舌を動かす」「唾液と混ぜる」「飲み込む」という複雑な動きを無意識に行っています。
また、会話をするときにも、舌や唇、頬など多くの筋肉を使っています。
オーラルフレイルによってこれらの機能が低下すると、食事や会話が少しずつ難しくなることがあります。
とくに注意したいのが、「噛めない→食べられるものが限られる→食事量や栄養が減る→全身の筋力が低下する」という流れです。
お口の健康は、歯や歯茎だけの問題ではありません。
食事をしっかり噛んで食べるためには、健康な歯や歯茎だけでなく、舌や頬、顎などの機能も重要です。
噛む力や飲み込む力が低下すると、食事がしにくくなり、食べる量や食品の種類が減ってしまう可能性があります。
さらに、外出や人との会話を避けるようになるなど、生活の中での活動量が低下することもあります。
このように、お口の小さな変化は、食生活や社会生活、全身の健康にも関係しています。
「歯が痛くないから大丈夫」ではなく、歯や歯茎だけではなく、お口全体の機能にも目を向けることが大切です。
まずは普段の生活を振り返ってみましょう。
以下の項目に当てはまるものはありませんか?
– 半年前と比べて、硬いものが食べにくくなった
– お茶や汁物などでむせることが増えた
– 食べこぼしが増えた
– 口の中が乾燥しやすい
– 滑舌が悪くなったと感じる
– 食事に時間がかかるようになった
– 食べる量が以前より減った
– 舌や口の周りが動かしにくい
– 人と話す機会が減った
– 歯科医院にしばらく行っていない
いくつか当てはまる場合は、お口の機能が少しずつ変化している可能性があります。
もちろん、これだけでオーラルフレイルと診断できるわけではありません。
歯科医院では、むし歯や歯周病のチェックだけではなく、歯の本数や噛み合わせ、舌や口腔粘膜の状態など、お口全体を確認することができます。
最近は特に、お口の機能低下の対策や予防が重要視されているため口腔機能低下症の検査を受けることを推奨しています。
この検査では噛む力や舌の力、飲み込む機能、お口の中の乾燥状態など、さまざまな項目からお口の機能を評価することができます。
口腔機能低下症は、複数のお口の機能が低下している状態を指します。
この検査を受けることで、自分では気づきにくいお口の機能の変化を知るきっかけにもなります。
「最近、食べにくくなった気がする」「むせることが増えた」など、少しでも気になる変化があれば、早めに歯科医院で相談してみましょう。
お口の機能は、早めに気づいて適切なケアを始めることが大切です。
「痛みがないから歯医者に行かなくてもいい」と考えるのではなく、定期的なチェックによって、お口の変化を早めに発見することが口腔ケアの第一歩です。

オーラルフレイルの予防では、まずお口の中を清潔に保つことが大切です。
歯ブラシを使った歯磨きに加えて、歯と歯の間にはデンタルフロスや歯間ブラシなどの補助清掃用具を使用しましょう。
人それぞれ使用したほうがいい補助清掃用具や磨き方が違うため、歯科医院で歯磨きの指導を受けるとよいでしょう。
また、歯石や歯垢が蓄積すると、むし歯や歯周病の原因となります。
歯周病が進行すると歯を失う原因にもなるため、歯を残すための口腔ケアもオーラルフレイル予防につながります。
歯だけではなく、舌や唇、頬などのお口周りの筋肉を動かすことも重要です。
例えば、
– 「あ・い・う・べ」と大きく口を動かす
– 「パ・タ・カ・ラ」とはっきり発音する
– 舌を前後・左右に動かす
– よく噛んで食事をする
– 会話をする機会を増やす
など、日常生活の中でお口を積極的に使うことを意識しましょう。
特別なトレーニングを長時間行わなくても、毎日の食事や会話の中でお口をしっかり動かすことが大切です。
セルフケアだけでは、歯石や自分では見つけにくいむし歯、歯周病などを完全に防ぐことはできません。
そのため、毎日の歯磨きと歯科医院でのプロフェッショナルケアを組み合わせることがおすすめです。

オーラルフレイルは、特別な人だけに起こるものではありません。
「硬いものを食べなくなった」「むせることが増えた」「滑舌が悪くなった気がする」など、ちょっとした変化がオーラルフレイルのサインである可能性があります。
大切なのは、こうした変化を「年齢のせいだから仕方ない」と放置しないことです。
「最近、お口の機能が落ちてきたかも」と感じた方は、まずは一度ご自身のお口の状態を確認してみませんか?
お口の健康を守ることは、毎日の食事を楽しみ、いつまでも自分らしく生活するための大切な一歩です。
気になることがありましたら、当院のスタッフにぜひご相談ください。

公益社団法人 日本口腔外科学会 認定医
特定非営利活動法人 日本顎咬合学会 会員
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歯科衛生士 田村麻希
