



Director's Dental Blog
公益社団法人 日本口腔外科学会 認定医
特定非営利活動法人 日本顎咬合学会 会員
公益社団法人 日本口腔インプラント学会 会員
ILSC即時荷重研究会 理事
千葉県船橋市 船橋森谷歯科クリニック院長
歯科医師 丸林浩太郎 歯科医師丸林有紀子
こんにちは。千葉県船橋市の歯医者、船橋森谷歯科クリニック歯科医師の丸林有紀子です。
前回のブログは「よく噛むとどんなメリットがある?」というお話でした。
今回は永久歯の中で特に大切な「6歳臼歯」についてお話ししていこうと思います。
小学校に入る頃に乳歯の後ろに生えてくる大きな歯が6歳臼歯(正式には第一大臼歯)です。
生え始めの時期が早く、うまく清掃出来ない事で、非常に虫歯になりやすい歯です。
乳歯が抜ける事なく生えてくるため、永久歯と気付かずにびっくりされることもあります。
6歳臼歯が奥歯で最初に生え始めるため、その位置を基準として他の歯の生える位置が決まります。
早期にむし歯が出来てしまったり、前の乳歯を早くに失うと、6歳臼歯の位置が前方になってしまい、
その後の歯が並ぶスペースが不足してしまいます。
乳歯だけの時期に比べ、6歳臼歯が生えることで、噛む力はすごく強くなります。
生え始めの6歳臼歯はまだ表面が硬くなっておらず、非常に弱い状態です。
さらに、頭を出してから完全に生えるまで何か月もかかるため、歯が汚れやすい期間が長くなります。
また、溝の形態が複雑で深いため、汚れが溜まりやすく、清掃がしにくいという特徴があります。
永久歯の中で一番大きく、臼の形をしていて食物を噛む力が一番強い歯です。
歯が生えることを萌出と言います。
歯が生えてくることにともなって起こる歯肉炎を萌出性歯肉炎といい、6歳臼歯や12歳臼歯など新しく生える歯でしばしばみられますが、乳歯から生え変わる歯ではあまり起こりません。
6歳臼歯の位置異常として起こるのが、手前の乳歯にひっかかるように生えてくる異所萌出です。
6歳臼歯が完全に生えることが出来ないだけでなく、手前の乳歯の根を吸収してしまうことで、早期に乳歯が抜けてしまうこともあります。
手前の乳歯が早期に抜けてしまうと、6歳臼歯が前に移動してしまい他の歯並びに影響します。
自覚症状はないため、歯科医院でのチェックが必要です。
6歳臼歯が生えてくる時に、奥歯の上に硬いものがある!歯が欠けた?と来院されることがあります。
歯が生えてくる時に覆っていた骨が吸収されずに出てきたもので萌出性腐骨といいます。
通常歯は骨を溶かしながら生えてきますが、生えるスピードが速いと骨が歯の上に取り残された状態で出てきてしまうため、このようなことが起こります。
自然に取れてしまうこともありますが、歯科医院で簡単に取り除くことが出来、心配はいりません。
歯の表面のエナメル質が生まれつきうまく作られずに変色や欠損がみられる状態です。
その部分はむし歯ではありませんが、歯の質が弱くなっており、むし歯になりやすいため、経過観察と予防処置が大切になります。
患者さまのお口を拝見するとほとんどの方の6歳臼歯は何らかの治療が施されています。
他の歯の状態は良いのに、6歳臼歯だけに詰め物をされている方は子どもの頃に予防処置をしていれば防ぐことが出来たかもしれませんね。
6歳臼歯の生え始めから永久歯が生えそろう中学生くらいまでの間に可能な限りの予防処置、定期的チェックを行うことがとても大切です。
仕上げ磨き、フロスの使用(一人で磨けるようになる小学校中学年くらいまでは大人のチェックが必要です)
フッ素の利用(フッ素入り歯磨き粉の使用やフッ化物洗口)
おやつや食事の管理(食べている時間や、糖分の摂取量に注意)
フッ素塗布(3か月に1回の塗布)
シーラント(むし歯になりやすい歯の溝を予防的に埋める処置)
定期的な歯科検診、歯みがき指導(染め出しをして磨き残しをチェック、磨き方の指導を行います)
6歳臼歯は一生使うとても大切な歯です。
6歳臼歯を守るための対策をすれば、他のすべての永久歯を守ることに繋がります。
むし歯で削った歯は一生治ることはありません。
また、失った歯は元に戻ることはありません。
船橋森谷歯科クリニックではお子さまの予防処置に力を入れています。
歯科医院が初めてのお子さまや、恐怖心の強いお子さまにも、それぞれのペースに合わせた診療を行っております。
ぜひ一度ご相談下さい。
公益社団法人 日本口腔外科学会 認定医
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