Director's Dental Blog
公益社団法人 日本口腔外科学会 認定医
特定非営利活動法人 日本顎咬合学会 会員
公益社団法人 日本口腔インプラント学会 会員
ILSC即時荷重研究会 理事
千葉県船橋市 船橋森谷歯科クリニック 院長
歯科医師 丸林浩太郎
こんにちは。
千葉県船橋市の歯医者、船橋森谷歯科クリニックの院長、丸林浩太郎です。
前回は「歯がしみるときのメンテナンス」についての内容でした。
今回は日ごろの診療の中でも患者さまから非常に多くご質問いただく「歯みがきの時間」についてお話ししたいと思います。
歯みがきは1日何回したらいいのか?
これは以前のブログにもありましたが、やはり朝、昼、夜の1日3回が推奨されています。
3回の中でも一番重要なのは夜の歯みがきです。
夜間就寝中は唾液の分泌量が減少するため、お口の中の細菌が増殖します。
そのため、就寝前にお口の中の細菌数をしっかり減らしておくことが大切です。
朝は就寝中に細菌が増殖しているため、1日の中で一番お口の中が汚れている(細菌数が多い)状態ですので、朝の歯みがきもとても重要です。
お昼の歯みがきは時間的に歯みがきをするタイミングがない方もいらっしゃると思いますので、その分1日2回、朝、夜はしっかり歯みがきをしていただきたいですね。
<「歯を磨く回数とタイミングについて」はこちら>
「歯みがきは何分したらいいんですか?」
これは本当によくご質問いただきます。
そもそも何のために歯みがきをしているのか?ということになってきます。
歯みがきは歯の汚れ(歯垢)を落として、むし歯や歯周病を予防するために行っているもので、「何分やる」という時間を目標にしているものではありません。
みなさんは部屋の掃除は何分行いますか?
5分ですか?30分ですか?2時間ですか?
年末大掃除ですと丸1日かかるかもしれませんね。
同じ部屋の掃除でもこれだけの時間の差があるのはなぜでしょうか?
それは掃除の内容ですよね。
どこまで細かく掃除をするのかということです。
普段は掃除機で部屋の掃除を行う方が多いと思いますが、隅々まできれいにしようと思うと、例えば雑巾で窓を拭いたり、窓の桟を古い歯ブラシを使って掃除したりと、掃除機だけではきれいにできない部分にはそれぞれに合ったアイテムを使って掃除をしますよね。
それを踏まえて考えると、お口の中も歯ブラシだけで隅々まできれいにするのは難しいことが予測できると思います。
お口の中の掃除は部屋の掃除と違って、汚れたままだとむし歯や歯周病など健康に影響を与えることになりますので、だいたいきれいになればよいというわけにはいきません。
それはお口の中の汚れはホコリや髪の毛ではなく、細菌だからです。
したがって、お口の中は常に隅々まで掃除することを意識しておくことがとても大切です。
「結局、何分歯みがきをしたらいい?」
その答えは、
「きれいになるまで」です。
実際に歯みがきでお口の中の細菌数がどれだけ減ったかを確認することは難しいので、はっきりと「ここまでしたらきれいになる」とは言い切れません。
しかし、歯ブラシだけで歯みがきをした場合と、歯ブラシ+清掃補助器具(歯間ブラシやデンタルフロス)+マウスウォッシュでお口を掃除した場合とを考えると、どちらのほうが細菌数が減らせるかは明白です。
歯みがきにどれぐらいに時間がかかるかは、歯並びや歯の残存数、入れ歯やブリッジなどの補綴装置の種類によっても大きく変わってきます。
例えばすべての歯が残っていて、歯並びなどに大きな問題がない場合、隅々までお口の中をきれいにしようと思うと、歯ブラシで5~6分、歯間ブラシやデンタルフロスで2~3分、マウスウォッシュで20~30秒程度、合計で8~10分程度が必要と考えます。
歯の残存数が少なければ時間は短くなりますが、ブリッジや連結されたかぶせ物(連結冠)が装着されている場合は逆に時間が長く必要になると思います。
効率よくお口の汚れを落とすためには、自分の歯並びや歯の残存数を知っていることのほかにも、歯みがきのクセなどでどこがみがきにくくてどこに汚れが残りやすいのか?ということも知っておく必要があります。
歯みがきは何分したらよいかというご質問は、普段診療していても非常に多いご質問の一つです。
患者さまにはそもそも何のために歯みがきをするのかをぜひお考えいただきたいと日々感じています。
歯みがきの時間について正解はありませんが、歯と歯の間やブリッジのダミー歯(ポンティック)の下など隅々までしっかり汚れを落とそうと思うとそれなりに時間がかかってしまいます。
私は歯みがきの時間は決めず、テレビを見ながら「次のCMまで」と考えながら歯みがきするようにしています。
洗面所で歯みがきをすると1分がとても長く感じます。
テレビを見ながら歯みがきをするというのは、あくまで歯みがきをしている時間ではない別のものに意識を向かせることを意味していますので、参考にしていただけたらと思います。
船橋森谷歯科クリニックでは歯科衛生士による歯みがき指導に力を入れています。
患者さまのお口の中の状態、歯みがきの状態を確認し、一人ひとりに合った歯ブラシや補助清掃器具の種類やサイズの選択、歯ブラシの当て方や動かし方などのアドバイスを行っています。
何分歯みがきをするかではなく、お口の隅々まで汚れを落とすことに意識を向けていただけたら私ども歯科医療従事者はとてもうれしく思います!
公益社団法人 日本口腔外科学会 認定医
特定非営利活動法人 日本顎咬合学会 会員
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ILSC即時荷重研究会 理事
千葉県船橋市 船橋森谷歯科クリニック 院長
歯科医師 丸林浩太郎
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