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歯周病と糖尿病の関係性とは?

歯周病と糖尿病の関係性とは?

公益社団法人  日本口腔外科学会  認定医
特定非営利活動法人  日本顎咬合学会  会員
公益社団法人 日本口腔インプラント学会  会員
ILSC
即時荷重研究会  理事
千葉県船橋市 船橋森谷歯科クリニック  院長
歯科医師  丸林浩太郎
歯科助手 水野杏菜

こんにちは!
千葉県船橋市の歯医者、船橋森谷歯科クリニック、歯科助手の水野です。
前回のブログは「虫歯になりやすい食べ物と予防につながる食生活」という内容でした!

今回は、歯周病と糖尿病の関係性についてお話ししたいと思います。
生活習慣が引き起こす病としても有名な糖尿病ですが、歯周病とどんな関係があるのでしょうか。
まずは、歯周病と糖尿病
がどんな病気なのかをお話していきます!

歯周病とは?

歯周病とは、簡単に言うと歯周病菌が歯の周りの組織に炎症を引き起こし、歯を支えている骨が、溶けてしまう病気です。
歯みがきが上手にできず、歯と歯茎の境目に細菌の塊であるプラークが溜まったままの状態が続くと、歯茎に炎症が起こります。
その状態が続くと、細菌が増殖し歯を支えている歯槽骨が溶けていってしまいます。
歯周病の主な症状は以下の項目が挙げられます。

〈歯周病の症状〉
・歯茎が腫れる
・歯茎から出血する
・歯がグラグラする
・歯がしみる
・口の中にネバつきを感じる
・口臭がする
・歯が長くなったような気がする

歯周病が重症化すると、歯が抜け落ちたり、抜歯をしなくてはならなくなることもあります。
歯がグラついていたり、抜歯をしてはがない状態に陥ると、食べ物をしっかり噛むことができなくなります。
すると栄養の偏りが生じ、全身の健康に影響を及ぼします

歯周病は自覚症状が出にくく痛みがないこともあるため、自身では気が付きにくいところが重症化しやすいポイントです。
歯周病の症状がないかご自身でチェックしてみてくださいね!

糖尿病とは?

糖尿病は、血糖値が高い状態が長く続く病気です。
血糖値=血液中のブドウ糖の濃度です。
食べ物や飲み物から摂取した糖は、口から胃腸を通りながら様々な消化酵素により消化、分解されたあと、最終的には小腸で吸収され血液中に入ります。
そのため、食後には血液中のブドウ糖が増え、一時的に血糖値が高くなります。

血糖値が高くなると、すぐに膵臓からインスリンが分泌されます

血液中のブドウ糖はインスリンの働きによって肝臓や筋肉、脂肪細胞に運ばれ、体のエネルギーとして利用されるようになります。
この働きによって血液中からブドウ糖が減り、食後の血糖値が正常値に戻ります。

インスリンは、血糖値を正常に保つためのとても大切なホルモンです!

糖尿病には1型糖尿病と2型糖尿病があります。

1型糖尿病は、生まれつき膵臓のインスリンを作りだす細胞が壊されていて、インスリンの分泌低下が起こっています。
そのため、血液中にブドウ糖が溢れ高血糖になります。

2型糖尿病は、遺伝や食べ過ぎ(高カロリー食、高脂肪食)、運動不足などの生活習慣の乱れなどからインスリンの分泌が低下します。
2型糖尿病は、インスリンが分泌されているにも関わらず、その働きがうまくいかず、血糖値が下がらないことで起こります。
また、インスリンの働きがうまくいかないと判断した体は、頑張って血糖値を下げようとするため過剰にインスリンを分泌しようします。
すると、膵臓に過度に負担がかかってしまいさらにインスリン分泌機能の低下に繋がります。

糖尿病は全身への影響も注意が必要です。

糖尿病の合併症には、神経障害や網膜症、動脈硬化や骨粗鬆症などがあります。

血糖値が高いと、血管が傷んだり、血管の内壁がボロボロになってしまいます。
血管は身体の様々なところに栄養や酸素をいきわたらせる役割をもっているため、血管に障害があると体のあちこちに影響が及んでしまいます。

また、糖尿病の症状には、口の渇きや多尿、傷が治りにくい、疲れやすいなどがあります。

歯周病と糖尿病の深い関わり

ここまで、歯周病と糖尿病の特徴をお話をしてきましたが、それぞれ口腔内にはどんな関わりがあり、どんな影響を引き起こすのでしょうか?

糖尿病の患者さまは、健康な方と比べて、歯周病の発症、悪化のリスクが高いことがわかっています。
糖尿病の方のお口の中では次のようなことが起きてきます。

・口の中の乾燥
唾液には口の中のお掃除や、細菌が増えるのを防ぐ役割(自浄作用)があります。
糖尿病で尿が多く出てしまうと体の水分と唾液の分泌量が減少し、歯周病の原因となる細菌が繁殖しやすい状態になってしまいます。
また、唾液や口の中の分泌液は、血液から作られているため、高血糖だと唾液の糖分濃度も高くなり、歯周病菌が好む環境に繋がります。

・歯周病菌に対する抵抗力と修復力が低下する
高血糖が続くと、歯周病菌と戦う白血球の働きが鈍くなり歯周病菌が増殖します。
また、糖尿病の影響で血管が傷つくと、歯周病菌が溜まった歯茎の周りの細い血管があるところまで血液が十分にいきわたらなくなります。
その結果、傷を治すために不可欠な栄養素や酸素が届きにくくなり、組織の修復力が低下します。

これらの原因が組み合わさり、糖尿病の患者さまは歯周病になりやすくなってしまいます。

また、歯周病菌の物質が血管を経由して体内全体に巡っていく可能性もあります。
歯周病菌が作りだす毒素には、インスリンの働きを阻害してしまうものもあります。

このように、歯周病と糖尿病は互いに悪影響を及ぼしています。
そしてどちらも自覚症状が少なく進んでいくため、早期発見と対策が重要になります。

対策とまとめ!

糖尿病と歯周病は体に悪影響を及ぼす疾患で、互いに密接な関係があります。
日頃のケアと健康的な生活習慣を心がけていきましょう!

歯周病予防のために、
・正しい歯磨き
・デンタルフロスや歯間ブラシの利用
・歯科医院での歯石除去

糖尿病の予防のために
・適度な量とバランスのとれた食事
・適度な運動
・不規則な生活を見直し、睡眠時間を確保する
・喫煙をしない
・アルコール摂取を少なくする
・早期発見のための健診受ける

しかし食事や運動、睡眠など日常的に全てをいい状態に保つことは非常に困難です。
継続的に少しずつケアを行い、ストレスにならない程度に続けていくことが大切です。

船橋森谷歯科クリニックのブログにも歯周病対策の記事がたくさんあります!
是非、参考にしていただき、大切な歯を守っていきましょう!

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院長丸林 浩太郎

船橋 森谷歯科クリニック 院長

1980年 福岡県福岡市生まれ。
東京歯科大学歯学部卒業後、7年間口腔外科にて勤務。
2014年からの5年間医院の分院長として勤務したのち、2019年に船橋 森谷歯科クリニック院長に就任。

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歯科医師丸林有紀子

船橋 森谷歯科クリニック 歯科医師

1980年 千葉県船橋市生まれ。
東京歯科大学歯学部卒業後、総合病院や歯科医院にて勤務したのち、森谷歯科医院(船橋 森谷歯科クリニックの前身)を前院長から引き継ぎぐ。
「お口の健康は心と体の健康」として患者様と協力しながら予防や治療に取り組む。

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