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院長の歯科ブログ

Director's Dental Blog

春と夏に気をつけたい口腔内環境について

春と夏に気をつけたい口腔内環境について

公益社団法人  日本口腔外科学会  認定医
特定非営利活動法人  日本顎咬合学会  会員
公益社団法人 日本口腔インプラント学会  会員
ILSC即時荷重研究会  理事
千葉県船橋市 船橋森谷歯科クリニック  院長
歯科医師  丸林浩太郎
歯科助手  水野杏菜

こんにちは!船橋森谷歯科クリニック、歯科助手の水野杏菜です。

前回のお話は「自分では気づきにくい口臭の正体とは!?」というお話でした。

今回は、これからの季節で口腔内環境はどんな変化が起きやすいのかをお話していきたいと思います。

季節が変わると体調が揺らぎやすいように、口の中も環境が大きく変化します。
特に春と夏は、気温や湿度、生活リズムの変化によって、むし歯や歯周病、口臭などのトラブルが起こりやすくなる季節です。今回は、春と夏に気を付けたい口腔内のポイントをわかりやすく解説します!

目次

1.季節が変わると、お口の環境も変わる理由

2.花粉症と生活リズムの変化がもたらす口腔トラブル

3.水分バランスの乱れと暑さによる口腔環境の変化

4.春と夏に共通して起こりやすいお口の変化

5.季節ごとのケアのポイント

6.まとめ

1. 季節が変わると、お口の環境も変わる理由

春から夏にかけて、気温・湿度・日照時間が大きく変わります。
私たちの体は、この変化に合わせて呼吸の仕方や水分の使い方、生活リズムを自然と調整しながら過ごしています。

こうした体の変化は、肌や体調だけでなく、お口の中にも影響を与えます。

  • 春:冬の間ゆっくり働いていた体が、外の環境に合わせて動き始める季節
  • 夏:暑さから身を守るために、水分をたくさん使う季節

このように、季節ごとに体の働きが変わることで、口腔内にもそれぞれの変化が現れます。

2. 花粉症と生活リズムの変化がもたらす口腔トラブル

くしゃみをしている人のイラスト(花粉症)

春は、お口のトラブルが増えやすい季節です。
その中心にあるのが 花粉症生活リズムの変化です。

花粉症による鼻づまりで口呼吸が増える

春の花粉症は、鼻づまりを引き起こし、自然と口呼吸が増えます。
口呼吸になると唾液が蒸発しやすく、お口の中が乾燥しやすくなります。

乾燥すると、

  • むし歯が増えやすい
  • 歯周病菌が活発になる
  • 舌苔が厚くなる
  • 口臭が強くなる

といったトラブルが起こりやすくなります。

春は、気温だけ先に上がって、空気の中の水分がまだ少ないため、乾きやすい季節です。
さらに、晴れて風が強い日が多いので、まわりの水分がどんどん飛んでしまっています。
そのため、お口の中も花粉症との相乗効果で“口の中がカラカラ”になりやすいのが特徴です。

花粉症の薬が唾液量を減らすことも

抗アレルギー薬には、唾液の分泌を抑える作用を持つものがあります。
そのため、薬を飲むことでさらに唾液の減少が進み、むし歯や口臭のリスクが高まることがあります。

薬をやめる必要はありませんが、春は特に唾液を守るケアが大切になります。

新生活で生活リズムが乱れやすい

春は新年度・新生活が始まり、生活リズムが大きく変わる季節です。
この変化は、お口の健康にも影響します。

  • 夜の歯磨きが短くなる
  • 歯間ケアを省きがち
  • 食事時間が不規則になる
  • 間食が増える

こうした小さな乱れが積み重なることで、春は“磨き残しが増える季節”でもあります。

気温差による体の負担で歯ぐきが敏感に

気温が急に変わると、体は血管を広げたり縮めたりして体温を保とうとします。
この調整をしている自律神経に負担がかかると、血流が不安定になりやすくなります。
血流が乱れると、歯ぐきに届く栄養や酸素が減り、弱りやすくなります。
その結果、歯ぐきが腫れやすい・ムズムズする・しみるなど、敏感な状態になりやすくなります。
また、気温差に体が対応しようとすると疲れやすくなり、免疫も落ちやすくなります。
免疫が弱ると細菌が増えやすくなり、歯ぐきの炎症が起こりやすくなります。
こうした体の変化が重なって、季節の変わり目は歯ぐきの不調が出やすくなるのです。

3. 水分バランスの乱れと暑さによる口腔環境の変化

季節が進んで夏になるとどう変わるのでしょうか?

夏は、体が熱を逃がすために大量の水分を使います。
その結果、口腔内には春とは違うトラブルが起こりやすくなります。

脱水で唾液が減り、細菌が増えやすくなる

汗をかく量が増えると、体は水分を優先的に汗として使います。
そのため、唾液の分泌が後回しになり、口の中が乾燥しやすくなります。

唾液が減ると、

  • むし歯
  • 歯周病
  • 口臭
    のリスクが一気に上昇します。

夏は“気づかない脱水”が多いため、口腔乾燥に気づかないままトラブルが進むこともあります。

知覚過敏と酸蝕症

気温が上がると冷たい飲み物やアイスを口にする機会が増え、強い冷たさが歯に直接伝わりやすくなります。
エナメル質(歯の一番外側を覆っている部分)が薄くなっている部分や、歯ぐきが下がって象牙質(エナメル質のすぐ内側にある部分)が見えている部分では、この刺激が神経に届きやすく、知覚過敏が悪化しやすくなります。

さらに夏は、炭酸飲料やスポーツドリンクなど酸性の飲み物を選びがちです。
酸性の飲み物は歯の表面をやわらかくし、エナメル質を弱くしてしまうことがあります。
この状態が続くと、歯が溶けてしまう「酸蝕症」が進みやすくなります。

酸蝕症でエナメル質が薄くなると、冷たい刺激がより伝わりやすくなり、知覚過敏の症状が出やすくなります。
つまり夏は、冷たい刺激+酸性飲料+唾液の減少が重なり、歯が敏感になりやすい季節なのです。

4. 春と夏に共通して起こりやすいお口の変化

ここまで春と夏それぞれの特徴をお話ししましたが、共通して起こりやすいポイントをお話します。

唾液が減りやすい
春は乾燥と口呼吸、夏は脱水。
どちらも唾液が減る方向に働きます。
唾液はお口の健康を守る“主役”なので、減るだけで細菌が増え、トラブルが起こりやすくなります。
口臭が強くなりやすい

春は乾燥で舌苔が厚くなり、夏は高温多湿で細菌が活発になります。
つまり、
春=乾燥によるニオイ
夏=細菌の増殖によるニオイ

という違いはあっても、どちらも口臭が出やすい環境が整ってしまうのです。

歯ぐきのトラブルが増えやすい

春は気温差や生活リズムの変化で自律神経が乱れ、血流が不安定になりがちです。
夏は暑さや疲労で体力が奪われ、歯ぐきの抵抗力が落ちやすくなります。

結果として、

  • 歯ぐきがムズムズする
  • 出血しやすい
  • 腫れやすい
    といった症状が春夏どちらでも起こりやすくなります。

5. 季節ごとのケアのポイント

● 春のケア

  • 鼻呼吸を意識して口呼吸を減らす
  • 水分補給を増やす
  • 花粉症の薬を飲む人は特に唾液ケアをする
  • 歯ぐきの状態をこまめにチェック
  • 新生活でも夜だけは丁寧に磨く

● 夏のケア

  • 水やお茶でこまめに水分補給
  • 酸性飲料の“だらだら飲み”を避ける
  • 冷たい飲食物をゆっくり食べない(冷たいものを長く口に入れているほど、歯の神経に刺激が届きやすくなるから)
  • ビタミン補給で口内炎予防(歯ぐきの修復と維持に必要な栄養)

 

6. まとめ

春と夏は、体が環境に合わせて大きく変化する季節です。
春は花粉症や生活リズムの変化、気温差の影響でお口が乾きやすく、歯ぐきも敏感になりやすくなります。
一方で夏は、脱水や冷たい飲食物、酸性飲料の増加によって唾液が減ったり、歯がしみたり、歯の表面が弱くなりやすい季節です。

どちらの季節にも共通しているのは、唾液が減りやすいことと、歯ぐきの抵抗力が落ちやすいこと
季節の特徴を知り、春は乾燥対策、夏は水分補給と飲み物の選び方に気をつけることで、お口のトラブルはしっかり予防できます。
毎日の小さなケアを続けながら、季節の変わり目もお口の健康を守っていきましょう!

公益社団法人  日本口腔外科学会  認定医
特定非営利活動法人  日本顎咬合学会  会員
公益社団法人 日本口腔インプラント学会  会員
ILSC即時荷重研究会  理事
千葉県船橋市 船橋森谷歯科クリニック  院長
歯科医師  丸林浩太郎
歯科助手 水野杏菜

私たちが記事を書いています!

院長丸林 浩太郎

船橋 森谷歯科クリニック 院長

1980年 福岡県福岡市生まれ。
東京歯科大学歯学部卒業後、7年間口腔外科にて勤務。
2014年からの5年間医院の分院長として勤務したのち、2019年に船橋 森谷歯科クリニック院長に就任。

プロフィールを見る

歯科医師丸林有紀子

船橋 森谷歯科クリニック 歯科医師

1980年 千葉県船橋市生まれ。
東京歯科大学歯学部卒業後、総合病院や歯科医院にて勤務したのち、森谷歯科医院(船橋 森谷歯科クリニックの前身)を前院長から引き継ぎぐ。
「お口の健康は心と体の健康」として患者様と協力しながら予防や治療に取り組む。

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歯科衛生士高波可奈子

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