Director's Dental Blog
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千葉県船橋市 森谷歯科クリニック 院長
歯科医師 丸林浩太郎
こんにちは。千葉県船橋市の歯医者、森谷歯科クリニックの院長丸林浩太郎です。
前回は『歯医者の選び方~何を基準にしたらいい?~』という内容でお話ししました。
今回は患者さまからよく聞かれる内容です。
むし歯の治療はいろいろな種類がありますが、いわゆるむし歯治療と聞くと、詰め物やかぶせもので治すというイメージを持たれる方も多くいると思います。
むし歯治療で使う主な材料には以下のものがあります。
・金属(パラジウム合金、銀合金、金)
・金属以外(セメント、コンポジットレジン、セラミック、ジルコニア、CAD/CAMなど)
この中で、セラミックはお茶碗と同様、ジルコニアは人工ダイヤモンドですので物質的にはとても安定しています。
そのため、ほぼ劣化せず、色や表面性状も一定しています。
中には「このセラミックは30年前に治療したものです。」とおっしゃる患者さまもいます。
それでも見た目は非常にきれいでつい最近装着したのではないかと思うほどきれいな状態のセラミックのかぶせものに遭遇することもあります。
その他の各材料の特徴を書き始めると話が終わらなくなりますので、詳細は以前のブログを参照してください。
≪関連情報:『奥歯のむし歯 つめもの、かぶせものは何がおすすめ?』はこちら≫
≪関連情報:『白いかぶせもの セラミック?ジルコニア??CAD/CAM???』はこちら≫
詰め物、かぶせ物の寿命は材質によって違います。
コンポジットレジン(CR)はプラスチックなので2~3年、金属の詰め物は3~5年、金属のかぶせ物は5~7年程度、セラミック治療は10年以上といわれています。
お口の中は非常に過酷な環境です。
熱いもの、冷たいもの、辛いもの、甘いもの、すっぱいもの、固いもの、やわらかいもの、ねばねばしたものなど本当にいろいろなものが入ってきますし、口腔内は500~700種類、数にして3000~5000億もの細菌が常在菌として存在しています。
このような環境に常にさらされていれば、プラスチックはもちろん、たとえ金属であっても劣化してくるのは仕方ないとも思えてきますね。
それに対しセラミックやジルコニアは茶碗、ダイヤモンドと同様と考えれば、丈夫で汚れも付きにくく、いろいろな環境に耐えられますので、プラスチックや金属と比べ寿命が長くなるのも納得といえます。
治療に来られる患者さまからもよく聞かれます。
『この詰め物、すごく昔に治療したものなんですが、新しく作り直したほうがいいんですか?』
先に述べましたように、詰め物、かぶせ物にはある程度の寿命があります。
では例えば寿命が5年程度と言われている銀の詰め物を10年前に装着した場合、それを外して新しく作り直したほうがいいのでしょうか?
いろいろと考え方はあるとは思いますが、私個人の意見として寿命以上の時間が経っていてもそれを外して新しくやり直す必要はないとお話ししています。
詰め物やかぶせ物を新しくやり直すのは、あくまでその歯がむし歯になってしまった場合や、詰め物やかぶせ物が取れてしまってそれをもとに戻そうとしても適合が悪かったり歯が動いてしまったりして、元の位置に戻すことができない場合だと考えています。
またとれてしまった詰め物やかぶせ物は、状態によってはそのまま使えることも多くありますので、必ず捨てずに歯医者さんに持ってきてくださいね。
むし歯にもなっていない、外れてもいないものをわざわざ外してやり直すのは時間もお金も無駄ですし、新しく詰め物やかぶせ物を作り直す場合は必ず形態を修正する必要がありますので、何より削られる歯がもったいないですよね。
歯を削らないためにはできるだけ一度治療した詰め物やかぶせ物を外さなくていいようにすることです。
もちろん一度もむし歯にならないことが一番いいことであるということは言うまでもありません。
このブログを読んでくださっている方は特に詰め物やかぶせ物が装着されている方が多いと思います。
古い詰め物やかぶせ物を新しく作り直すことよりも、その詰め物ができるだけ長持ちするように、歯をこれ以上削らなくていいようにむし歯を予防することのほうがより重要ではないでしょうか?
古い詰め物を新しく作り直さなくていいように日頃からしっかり歯みがきをして、定期的に歯医者さんに検診に行くことを強くお勧めします!
それでは!
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