Director's Dental Blog
公益社団法人 日本口腔外科学会 認定医
特定非営利活動法人 日本顎咬合学会 会員
公益社団法人 日本口腔インプラント学会 会員
ILSC即時荷重研究会 理事
千葉県船橋市 船橋森谷歯科クリニック
院長 歯科医師 丸林浩太郎
こんにちは!船橋森谷歯科クリニックの院長 丸林浩太郎です!
前回は「なぜ歯がしみる?知覚過敏の原因と対処法を徹底解説!」についてのお話でした。
非常に身近な歯の症状でもある知覚過敏について、みなさん読んでいただけましたか?
今回は「歯の健康と健康寿命」についてお話していこうと思います。
歯の健康とは、「むし歯や歯周病など、歯を失う原因となる疾患のいずれにも罹患していない口腔状態」といえると思います。
例えば、以前むし歯になってしまった歯があったとしても、歯科医院を受診して適切な治療を施し、修復されていたり、歯を失ってしまっていても入れ歯等を装着してしっかりと食事が摂れる状態にあればそれは歯の健康を保てているといってもよいと思います。
逆に歯の健康を保てていない状態というのは、むし歯や歯周病が進行して、抜歯が必要になってしまった状態のことだといってもよいと思います。
歯の健康を保つことは、単に物を噛むということだけでなく、食事や会話を楽しむという豊かな生活を送ることにも大きく影響を及ぼします。
寿命には「平均寿命」と「健康寿命」があります。
平均寿命とは「0歳における平均余命」であり、2019年時点では、男性81.41歳、女性87.45歳となっています。
一方、健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことをいい、男性72.68歳、女性75.38歳となっています。(厚生労働省e-ヘルスネット「平均寿命と健康寿命」より)
健康寿命と平均寿命では男性で約9年、女性で約12年の差があります。
健康寿命と平均寿命が一致すればそれは「ピンピンコロリ」ということになります。
しかし、実際にピンピンコロリとなるのは全体の10%程度といわれています。
その他の20%は年齢を重ねるうえで脳卒中などの疾患を患い、日常生活が不自由になり、ひいては要介護状態になってしまう場合も少なくないようです。
残る70%は筋力の低下などで徐々に日常生活の自立度が低下していき、要介護状態になっていってしまうようです。
その状態が男性で約9年、女性で約12年もの長期間続くと考えると、ピンピンコロリがいかに幸せなのかを感じさせられますね。
急速に高齢化が進む日本においては平均寿命と健康寿命の差をいかに小さくするかが重要です。
歯の健康は健康寿命に大きく関わっています。
ある研究では、歯が多く残っている人や歯を失っても義歯などを使っている人は、残っている歯が少なく、義歯などを使っていない人と比べ、認知症になったり転倒したりするリスクが低いということがわかっています。
また、歯が20本以上残っている人や、残っている歯の本数が少なくても義歯等を装着している人と比べ、歯が19本以下の人は認知症発症のリスクが1.9倍、転倒するリスクが2.5倍も高いという研究結果も出ています。
また、歯の健康を保てていないと食事内容にも影響を及ぼします。
歯が健康でないと食事はやわらかいものに偏る傾向にあります。
健康な歯が少ない人は、肉や魚、野菜などが食べにくく、ご飯やうどんなど炭水化物が中心となり、タンパク質やカルシウム、ビタミンなどが不足することで糖尿病や高血圧のリスクが増し、骨折しやすくなったり風邪をひきやすくなったりもします。
歯の健康を保つことは健康寿命を延ばすことに大きな影響を及ぼしているんですね。
私は健康寿命を延ばすためには歯の健康を保つことが必要不可欠だと考えます。
しかし、歯を健康に保つことは決して難しいことではありません。
普段行っている歯みがきをレベルアップさせ、今までより効率よく確実に汚れ(=プラーク)を落とすようにすることがポイントです。
世の中のほとんどの人は毎日歯磨きをしていると思います。
にもかかわらずむし歯や歯周病になってしまうのは歯みがきが上手くできてていないからにほかなりません。
船橋森谷歯科クリニックでは、歯科衛生士による徹底的な歯みがき指導を行い、患者さまによるセルフケアのレベルアップと歯科医師、歯科衛生士によるプロケアを融合させることでレベルの高い予防歯科を提供する取り組みを行っています。
健康寿命を延ばすためには、例えば食事の管理や適度な運動なども重要な項目だと思います。
しかし、これまでの食事内容をガラリと変え、それを維持したり、今まで運動をしていなかった人が生活リズムを急に変えることは簡単ではないというのも事実です。
しかし、そもそも毎日の日課として行っている歯みがきを少し変えることは決して大変なことではないと思います。
毎日のほんの少しの積み重ねで健康寿命に大きな影響を与えられるなら、今日から歯の健康を意識しながら生活をしてみてはいかがでしょうか?
公益社団法人 日本口腔外科学会 認定医
非営利活動法人 日本顎咬合学会 会員
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