Director's Dental Blog
公益社団法人 日本口腔外科学会 認定医
特定非営利活動法人 日本顎咬合学会 会員
公益社団法人 日本口腔インプラント学会 会員
ILSC即時荷重研究会 理事
千葉県船橋市 船橋森谷歯科クリニック 院長
歯科医師 丸林浩太郎
歯科衛生士 田久保優
こんにちは!
千葉県船橋市の歯医者、船橋森谷歯科クリニック、歯科衛生士の田久保です。
前回のブログは「歯周病と糖尿病の関係性とは」という内容でした!
今回は、[「フッ素はなぜ歯にいいのか?」についてお話ししたいと思います。
歯を健康に保つために重要な成分として知られるフッ素。
歯磨き粉やうがい薬の成分表でよく目にしますが、なぜフッ素が歯に良いとされているのでしょうか?
フッ素(フッ素化合物)は、化学的に「フッ素イオン」として歯や口腔内に作用します。
白く見えている歯の表面にはエナメル質という体の中で1番硬い組織がありますが、これはカルシウムやリン酸からなる「ハイドロキシアパタイト」という成分で構成されています。
このエナメル質は、日々食べ物や飲み物によって酸性環境にさらされることで溶け出す「脱灰(だっかい)」という現象が起こります。
フッ素は以下の3つの働きで、歯を酸のダメージから守り、脱灰を防ぐことでむし歯を予防します。
①再石灰化を促進
食事のたびに歯の表面からカルシウムやリン酸が溶け出す脱灰が起こります。
唾液の中にはそれらの成分が含まれており、再び歯に取り込まれる「再石灰化」が起こります。
フッ素は、この再石灰化を助ける重要な役割を果たします。
フッ素が歯に取り込まれると、「フルオロアパタイト」という酸に強い結晶が形成されます。
このフルオロアパタイトは通常のハイドロキシアパタイトよりも溶けにくく、酸性環境下でもエナメル質を守る効果が期待できます。
②酸への耐性を高める
フッ素は、歯の表面をより強くし、酸による脱灰を抑える働きを持っています。
これにより、むし歯菌が作り出す酸にも歯が強く耐えることができます。特に、フッ素を定期的に使用することで、歯の耐性が高まります。
③原因菌の抑制
フッ素には、むし歯の原因菌の活動を抑える効果もあります。
菌は、糖を分解して酸を作り出すことで歯を溶かしますが、フッ素がその過程を阻害することで、菌の増殖を抑えます。
このようにフッ素は、歯そのものを守るだけでなく、むし歯菌の働きも直接的にコントロールする役割も果たします。
日常生活でフッ素を活用するには、以下の方法があります。
・フッ素入り歯磨き粉を使用する
市販の歯磨き粉の多くにはフッ素が含まれています。
使用する際は歯全体にしっかり行き渡るよう、丁寧に磨くことが大切です。
・フッ素洗口液を利用する
学校や家庭で、フッ素洗口液を使用する習慣を取り入れるのも効果的です。
特にむし歯になりやすい人にはおすすめです。
・歯科医院でフッ素塗布を受ける
定期検診の際に歯科医師や歯科衛生士が行うフッ素塗布は、濃度の高いフッ素を直接歯に塗る方法で、より高い効果が期待できます。
フッ素は歯を強化し、むし歯のリスクを減らすための強力な味方です。
その働きは再石灰化の促進、酸への耐性強化、むし歯菌の抑制と多岐にわたります。
適切な方法でフッ素を取り入れることで、歯の健康を長く保つことができます。
しかし、フッ素だけに頼るのではなく、日々のセルフケアも大切です。
セルフケアにプラスしてフッ素を取り入れ、バランスよく活用すると良いでしょう。
フッ素塗布をはじめる目安は乳歯が生えてきたらです。
とくに生えたての歯はフッ素の取り込みがいいので効果的です。
船橋森谷歯科クリニックではお子さんの年齢によって量を調節したり、味を使い分けています。
歯磨き粉やうがい薬、歯科医院での定期検診など、日常生活の中でフッ素を上手に活用し、むし歯のない健康な歯を目指していきましょう!
公益社団法人 日本口腔外科学会 認定医
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