Director's Dental Blog
こんにちは!
船橋駅近くの歯医者、森谷歯科クリニックの院長丸林浩太郎です(^o^)/
前回は『染め出し』について少し掘り下げてお話ししました。
今回は『唾液』についてです。
実は唾液ってすごいんですよ!
何がすごいってその“はたらきが”です!
今回は唾液の役割やその機能についてお話していこうと思います。
早速みなさん聞いてみたいのですが、唾液って1日にどのくらいの量が分泌されていると思いますか?
そんなこと考えたこともないと思いますが、実に1日1,000~1,500mlも分泌されているんです!
ペットボトルを考えるとすごい量ですよね(@_@)
その唾液にはたくさんの成分が含まれていて、いろんな部分で活躍してるんです!
唾液の役割は主に7つあります。
1.消化作用
2.自浄作用
3.抗菌作用
4.緩衝作用
5.再石灰化作用
6.免疫作用
7.粘膜などの保護作用
です。
消化作用とはお米やパンなどのデンプンを糖に分解する作用です。お米やパンが甘いと感じるのはそれらのデンプンを唾液が糖に分解されるからです。
自浄作用とは食べかすなどを洗い流す作用です。歯磨きをしなくても実はある程度大きな食べカスは唾液によって流されるんですね!
でも、もちろん歯磨きが必要ないわけではないので、その辺りはお間違いのないように!(^^;)
唾液には殺菌・抗菌物質も含まれていて、お口からばい菌が入るのを防いでいます。
緩衝作用とは、むし歯菌が酸を出してお口の中を酸性に傾けたpHを中性に戻す作用です。これはむし歯にならないためにとても重要な機能なんです( ̄^ ̄)ゞ
唾液にはカルシウムが過飽和の状態で溶けていて、そのカルシウムが歯の再石灰化に携わっているんです。過飽和というのは溶ける限界を超えた量が溶けている状態です。限界を超えた状態なので、何かしらのきっかけが加わると、そのカルシウムが個体として現れてきます。
ちなみに歯の表面に歯石がつくメカニズムもこのカルシウムが関わっています。
唾液の量ってもちろん個人差があるわけなんですが、唾液が多い人ほど、むし歯になりにくいです。それは唾液が多いほど、洗浄作用がはたらくし、再石灰化も進みやすいからでしょう。
しかし逆に唾液が多い人ほど歯石がつきやすいとも言われています。それだけカルシウムが多いからでしょうか?
余談ですが、歯石がつくのは唾液が多いというのも理由になるのかもしれませんが、それだけで歯石がつくわけではありません。
そこらへんはまた今後お話ししますね。
排出作用はバイ菌などを唾液と一緒に吐き出す作用、粘膜の保護作用は唾液が潤滑剤になって歯や食べ物と粘膜の擦れを軽減する作用ということですね。
歯医者さん的にはやはり緩衝作用と再石灰化作用が大事になってきますよね。
個人的には唾液は多いほうがいいと思っています。
しかし唾液の量は残念ながら年齢を重ねると減ってきます。
年配になるとお口の乾燥を訴えることが多くなってきますが、残念ながらそれは老化現象のひとつと言えると思います。
お口が乾燥するとばい菌も増えやすいですし、口内炎などの治りも遅くなってしまいます。
では唾液分泌を促すためにはどうしたら良いのでしょうか?
それはよく噛むことです!
食事の際、噛む刺激で唾液の分泌が促進されるからです。
ガムをかんだり、すっぱいものを食べたりするのも良い方法です。
唾液腺マッサージなどもありますが、日常的に簡単にできることはまずはそういったことだと思います。
唾液のおかげでいろんな恩恵を受けていることがわかっていただけましたでしょうか?
しっかり唾液の分泌を促して唾液の恩恵を最大限に受けましょう!
それでは(^-^)/
森谷歯科クリニック 院長 丸林浩太郎