Director's Dental Blog
こんにちは!
森谷歯科クリニックの院長丸林浩太郎です(^o^)/
前回は「顎関節症と生活習慣」という内容でお話をしました。
今回は『マタニティ歯科』と題して、妊婦さんに関する内容でいきたいと思います!
妊娠中の方のお口の中の管理で気を付けたいことは何でしょうか?また妊娠中に歯科治療行ってよいのでしょうか?
まずは妊娠中のお口の中の管理についてです。
妊娠中は唾液の分泌量が減ったり、食事の回数が増えたりするため、お口の環境が悪化する傾向にあります。
みなさんは妊娠性歯肉炎をご存じですか?
妊娠性歯肉は女性ホルモンが大きく関わっているといわれています。
その女性ホルモンが歯周病の原因菌の増殖を促しています( ゚д゚)
またプロゲステロンというホルモンは炎症の元の物質を刺激します。
これらのホルモンは妊娠終期には月経時の10~30倍もの量になるため、妊娠中期から後期にかけては妊娠性歯肉炎が起こりやすくなってしまうのです(*_*)
ですので、妊娠中もしっかり歯みがきをしてプラーク(歯垢)を落としておくことが大事になってきます。
しかし、妊娠中に切っても切れないことといえば「つわり」です。
私は男ですので、実際につわりがどれほど大変なのかはわからず申し訳ないのですが、ひどいときは歯みがき粉のにおいや味、さらには歯ブラシをお口に入れることさえもできないぐらいになってしまうこともあるようですね(>_<)
つわりの時期の口腔ケアはどうしたらよいのでしょうか。
対策としては、
1.歯みがき粉が合わない場合は、少量にするか、使わないで磨いてみる
2.歯ブラシのブラシ部分(ヘッド)が小さいものに変えてみる
3.デンタルリンスでうがいをする(もちろん歯ブラシを使うほうが効果はあります)
できるだけフッ化物配合の歯みがき粉を使いましょう。
また、歯ブラシが届きにくい歯と歯の間には歯間ブラシ・デンタルフロスも使ってみてください。
では、妊娠中のお口の病気(とくに歯周病)が全身に及ぼす影響についてはどのようなものがあると思いますか?
歯周病を悪化させてしまっていると、次のような疾患にかかりやすくなったり、悪化させてしまったりします。
・誤嚥による肺炎
・心血管系疾患
・細菌性心内膜炎
・糖尿病
妊娠するとからだの抵抗力が若干ですが低下するため、今までは問題なかったお口の中の清掃状態でも、歯周病を起こすことがあるんです(゚o゚;;
また、歯周病の炎症で出現するプロスタグランジン(子宮の収縮に関わる物質)などが胎盤に影響を及ぼすため、早産や低体重児出産のリスクが高まるとも言われています。
歯周病にかかっている妊婦さんはそうでない妊婦さんと比べて、切迫早産や早産が10倍も起こりやすいことがこれまでの研究から報告されています((((;゚Д゚)))))))
お母さんはもちろん、生まれてくるお子さんのためにもお口の健康を守ることはとっても大切であることがわかっていただけましたか?
妊婦さんは一人のからだではありません。
妊娠中もしっかり定期検診に通い、お口の中の健康を保ち、元気な赤ちゃんを産んでくださいね!
次回は妊娠中の歯科治療やレントゲン撮影についてお話したいと思います!
それでは(^-^)/
森谷歯科クリニック 院長 丸林浩太郎